TOEICを活用した英語学習法

8月6−10日の5日間、山形の東北芸術工科大学で、TOEICの集中講座、進行中です。就職活動の際に、エントリーシートTOEICスコア記入を求める企業が多いので、大学生としてはとりあえず「フツーのスコア」を書けるようになりたい、というのが大方の声。

ところが、英語学習に対して苦手意識を抱えている学生がほとんどなので、出題形式に慣れるだけでなく、「英語は楽しく学ぶことができるんだ」というメッセージを伝いたいと思っています。実際、ゼロから始めて2000時間、英語と接触すれば、ノンネイティブとして十分な英語の運用能力を身につけることが可能なのです。そのために、様々な学習方法を紹介しています。

京都造形芸術大学でも実施している「リストアップ系エクササイズ」としては、定番の「二文字目しりとり」「イメージ連想」だけでなく、「カタカナ英語」「東北芸術工科大学のキーワード A〜W」で身近な英単語に目を向けてもらいます。「形容詞」はアート、デザイン系の会話には不可欠ですし、「助動詞」を棚卸しすると、文法の復習になります。

ちなみに、テキストとしては、僕の英語の師匠である松野守峰先生の「はじめて受けるTOEICテストパーフェクト問題集」(ピアソン桐原)を使いました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4342000768/
この本は、薄い問題集とぶ厚い解答・解説書からなっている構成。本間方式は、まず、リスニングのスクリプトを読み、しっかり意味を把握した上で、CDの音声を聴く方法。まだ低いスコアの学習者がいきなり「実戦テスト形式」で取り組むと、手も足も出ずにすぐ挫折してしまいます。とにかく英語との接触時間を増やすことが大切なので、答えを先に見る方法をおススメしています。そして、せっかく購入した問題集ですから、1回試して終わりではもったいなさすぎます。音読したり、映像化したり、書き写したり、否定文・疑問文・否定疑問文などに展開したり、何十回も徹底活用する方法を伝授しています。この方法を続ければ、確実にスコアが伸びます。

また、2日目には、ブラインドウォークは日本語、英語ちゃんぽんで実施。英語は「教室の中で座って学ぶもの」という固定観念を払拭し、「英語は生きていくために使うもの」だということを体感してもらうには良いエクササイズだと思っています。

3日目には、銀行融資についても解説しました。美大の学生にとっては、英語の語彙や文法もさりながら、経済やビジネスの仕組みに関する知識が備わっていないので、そこから説明する必要があります。いきなり、line of credit(信用限度枠、貸出額の上限)なんて言葉を覚えろと言っても意味ないですから。TOEIC対策の英語学習を通じて、英語と一緒に、会社や社会についても視野を広げてもらえればと願っています。すべての学習は本来、総合学習なのですから。

4日目は空港内のアナウンスが聴き取れるように、航空関係用語のお勉強。実際に英語のアナウンスを聞き取れないと困りますよね。その意味では、TOEIC対策がサバイバル旅行英語の習得にもつながっています。明日、5日目は総復習ですが、自信がつくところまではいかなくても、先週よりは英語を学ぶ楽しさを感じられるようにはなってくれていると思います。