安全神話を卒業しましょう!

「あってはいけないことが起こる」のが現実の社会です。ファーストフード・チェーンの異物混入が大きなニュースになっていますが、アルバイトのクルーがほとんどであるという職場で、のべ利用者数・年間9億人という分母の大きさを考えると、きわめて高いレベルの品質管理が実現していると評価すべきなのではないでしょうか?飲食店で供される料理に、髪の毛や虫、小石などが入っていて嫌な思いをした経験のない方っているのかしら?
「メディアはニュースを報道する」のではなく「メディアが報道したものがニュースになる」という方程式を理解するのが、メディア・リテラシーの第一歩だと思います。
もちろん、利用者の安全・健康が最優先でなければならないのは間違いありませんが、誰かを悪者にして、トップが辞職するまで、責め続けても、何も事態は改善しません。こうした幼稚な構図が、企業経営だけでなく、政治の世界でも、スポーツの世界でも繰り返されているのは、実に残念なこと。
「全ての人、全ての組織が発展途上であり、成功と未成功から学び続ける存在だ」という「学習学的人間観」の方が、はるかに建設的だと、僕は思います。
「事故は絶対に起こらない」という「安全神話」を脱却し、「人間の社会ではミスや事故は必ず発生する」という前提に立って、少しずつ、しかし着実に改善を続けるのが、社会の進歩だと思います。