新しい漢字学習法の提案

京都造形芸術大学で僕が担当している「ことばと表現」(国語)の授業では、アン、イン、ウン、エン、オンからバン、ビン、ブン、ベン、ボン、まで漢字で五十音表を埋めていくワークを行ないました。やってみるとわかりますが、ツン、ヌン、ルンと読む漢字はありません。ズンも「寸」しかないみたい。ヤン、ユン、も「八ッ場ダム」「弓手」など、音便の形だけでしょうね。

こうしたアプローチを、僕は Input by Output と呼んでいますが、正解が一つに決まっていない課題を出し、みんなでアイディアを出し合うことで、自分たちの内側にすでに存在していた知識に気づき、思い出せなかった時に残念な気持ちがわき上がって扁桃体が刺激を受けるので長期記憶に定着しやすくなります。さらに、日常生活の中でも、漢字に対しての関心が高まるという仕掛け。この方法、幅広く応用がきくと思うので、教育・研修関係者の方、ぜひお試し下さいませ。

添付した写真は、先週使用した「5x5」の熟語作成マトリックス。「けい」と「か」の交差する升目には「かけい」「けいか」を書き込むという方法。若い学生には「寛解」「官界」あたりが思いつきにくかったようです。