人権について考えさせられる動画

コーチ仲間の河野美沙さんから紹介された8分ほどのビデオです。
http://dout.jp/152

僕はぎゅっと胸がしめつけられました。僕だったら、何と言うかな?このビデオでは、「正義感」に基づく怒りをストレートにぶつけている人を賞賛しているニュアンスがあって、アメリカらしいなあと思う反面、そこには釈然としないものを僕は感じました。おそらく、直接批判するだけでは平行線をたどるだけで、行動を改善する方向にはならないのではないかと。
コーチングでは「相手と過去は変えられない」と言います。自分がその一部分であるところの状況は変えられますからね。そして、「責めても人は変わらない」と僕は思うのです。

ビデオの中では、「あなたが今と同じ言葉を投げかけられたら、どんな気持ちがすると思う?」と質問していた人のアプローチに一番、共感できました。できれば、もうちょっと怒りをコントロールしてほしかったかな。

僕の場合、やはり、暴言を吐いている相手の人相・風体は観察してから、言葉を選ぶだろうと思います。僕が一人でいるか、誰かと一緒にいるかによっても対応は変わりますね。直接、危害を加える可能性のある相手に見えたら、その人の発言を制止するのではなく、レジ係の方を後でフォローするようにするんじゃないかな。その人が暴力をふるって犯罪者になるのも望ましくないですから。でも、そこまで危険・凶悪な感じでなければ、こんな風に言うかも。




あ、失礼します。一言よろしいでしょうか?何かとてもイライラされているようにお見受けしますが、今日、何かあったんですか?

【レジ係に対しての暴言がとりあえず終息するように注意を自分に引きつける。そこで話を聞いてあげて、「ああ、今はそういう風に感じてられたんですね。」否定はしないで、聞いているレジ係に対しても、「今日はひどいことを言ったけど、この人も決して悪い人ではないんだよ」ってメッセージを伝えたいです。その上で、まだ事態が改善しなければ】

今みたいな言い方は、こちらの方にとても失礼だと僕は思います。
この方に、ひどい言葉を投げつけて、何か良いことありましたか?
今、あなたが周りの方からも、白い目で見られている自覚はありますか?

あと、念のため申し上げておくと、あなたの言葉遣いは、人権感覚に欠けているだけでなく、業務妨害罪に該当しますから、すみやかに謝罪された方がよろしいですよ。
はい、謝って下さい。(キッパリ)
私にではなく、こちらの方にです。(キッパリ)



(キッパリ)の部分は、ファシリテーターとしての気合いを使うでしょう。自発性を引き出すというよりは、有無を言わせない指示命令の技もありますから。


僕の優先順位は、(1)とりあえず暴言を止めること、(2)暴言を吐いている人の怒りの感情を穏やかな方向にもっていくこと、そして、(3)レジ係の方へのフォロー、ということになりそう。現実の場面で、うまくいくかどうかわかりませんけど。

先日も、かなり混雑した電車の中で、肩があたった云々で諍いを起こしている2人の間に空間的に入りこんで(身体、大きめにできてますから)、とりあえず、その場をおさめることはできました。怒っている人に背中を向けるのはちょっと怖かったけど、あんまり怒っている人の顔を見たいとも思わないしね。

4月からは、京都造形芸術大学の「社会学」の授業を担当します。ダイバーシティも扱う予定なので、このビデオは学生に見せようと思います。今の日本社会、特にネットの上で、人種差別的な発言が蔓延しているのは、本当に嘆かわしいことだと感じています。ささやかですが、できるところから、人権を尊重する社会への取り組みを僕なりに進めていこうとあらためて思いました。