新大統領

learnologist2008-11-05

ついにこの日が来ました。
2004年の民主党大会のスピーチに感心して以来、
密かに注目していましたが、一昨年の2月に、ワシン
トンで友人や有識者に会い、オバマは良いねえ、と
いう話を聞いて、即、伝記の版権をとり、
オバマ --- アメリカを変える挑戦』(オーク)
http://astore.amazon.co.jp/learnolocojp-22/detail/4871160777
として昨年の11月に翻訳・出版したわけですが、
僕の目に狂いは なかったと感じています。

今回の大統領選挙は、民主・共和両党とも本命候補
が戦略ミスでこけた戦いでした。共和党のジュリア
ーニ前NY市長は、序盤のアイオワ州、ニューハンプ
シャー州を無視する戦略で、早々に姿を消しました。
ヒラリー上院議員は、自分が絶対に民主党候補にな
ると確信していたので、党内選挙を軽視して、共和
党候補との本選挙に資金を温存する作戦をとり、ま
た「経験」を訴えるメッセージを発信して、「変化」
を求めるオバマに敗れました。

マケイン上院議員は、高齢であることを除いて、バ
ランス感覚もあり、政策能力も高くて、本人の資質
は十分だと思いましたが、ペイリン知事を副大統領
候補に選んだのが、決定的敗因になったと思います。

オバマ新大統領は、金融不安やイラクアフガニ
タン情勢など、当面の問題山積ですが、ぜひ、未来
志向のメッセージを発信し続けてほしいと期待して
います。

特に、苦境にあえぐ自動車産業の救済が必要だと、
僕は見ています。GMやフォードが倒産するような
事態になるとアメリカ経済は大混乱に陥るからです。
しかし、経営が苦しいから公的資金を投入するとい
う後ろ向きな政策ではなく、「燃料電池車で世界を
リードするために、燃費の悪い車の製造は一切やめ
る」くらいの強いメッセージを発して、10兆円程
度の資金を入れてはどうかと考えています。今は、
経営者も労働組合も強いことは言えないので、米国
自動車産業(そして製造業全般)を立て直す絶好
のチャンスだと思うのです。