宝来館の女将の未来ビジョン

村田 信之さん、 江幡 平三郎さんはじめ、色々な方から、お噂を聞いていた、宝来館の女将、岩崎昭子さんとようやくお目にかかれました。僕とハロードリームいわてのメンバーは、海の幸の夕食をいただきながら、女将の「夢」の話をじっくり聞かせていただきました。

「3.11の津波が来る前から、集落の未来のことを考えていました。日本と世界の未来のモデルになるような集落にしていきたいです。」と語る言葉がとても印象的でした。そのために、佐渡裕さんを招いてコンサートを開いたり、ゴミ・アートの芸術家を招いたり、ラグビーのワールドカップ誘致を目指したり、グリーン・ツーリズムを企画したり、ブドウを育ててワイナリーを開いたり、鉄の歴史・市民運動の歴史を繙いたり、小規模水力発電に取り組んだり、バイオトープを作ったり、そして、将来、まちづくり会社を起こそうとしたり、と、それはそれは気宇壮大なプランの数々。「そんなの無理」と考え、批判する人もいるだろう、と推測しました。しかし、女将の言葉からは本気が伝わってきます。そして、僕にはどのプランも実現可能であり、日本社会が目指すべきビジョンがそこにあると感じました。

「根浜海岸の「西の沢」に14.5メートルの防潮堤を築くのではなく、美しい海が見える状態で残したいのです。住民は高台に集団移転し、宝来館は現在の位置で営業し続けることで、ここに全国から、世界中から人が集まり、交流し合うことで、何かが生まれることを期待しています。この集落のアンケート回収率は100%。みんながこの集落を真剣に考えて、次の世代に残せる最善を残していきたいのです。」(文責:本間)

女将には、1時間以上、熱く語っていただきました。会えて本当に良かったです。おそらく、次回は5月下旬に、ハロードリーム実行委員会のメンバーと再訪することになるでしょう。そして、その後も、この宝来館で、日本の未来を語り合うワークショップを何回もすることになるに違いない、と確信しました。今まで、何度も何度も呼ばれるように、釜石・大槌を訪れてきたのか、やっと腑に落ちました。