リスクの過小評価

ごちそうさん」2014年2月第4週の放送で、ついに大事件が発生します。主人公の夫・悠太郎さんが逮捕されてしまうのです。逮捕の理由は、「空襲に備える防空訓練で、火を消さずに逃げるよう指示した」というもの。この背景には、昭和16年に改正された「防空法」という法律がありました。   防空法は、「都市からの退去を禁止する」「空襲のときは逃げずに消火をせよ」という法律です(8条ノ3、8条ノ5)。 悠太郎の発言は、防空法に正面から歯向かうものだったのです。今からすれば、市民の命を守るため当然の発言ですが、当時は許されなかったのです。 
出典は http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140227-00033061/

法政大学教授で元日本テレビNNNドキュメント」ディレクターの水島朝穂氏が「検証 防空法 空襲下で禁じられた避難 」(法律文化社)という本を出版されました。

防空法だけでなく、昭和16年12月7日に内務大臣が発した通牒、「空襲は怖くない」という情報操作、隣組を通じた相互監視によって、国民が「逃げたくても逃げられない」という状況が作られました。当時の国民は、効果のない「バケツリレー」などの防空訓練をさせられ、命がけの消火活動を命じられました。しかも「長さ1mのハタキで火を消せる」、「手袋をはめれば焼夷弾を手でつかんで投げだせる」などといった非科学的な宣伝を繰り返し、政府自身が「命を投げ出して国を守れ」という防空精神を国民に流布したことで、市民の生命を犠牲にさせるものだったのです。  
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140227-00033061/

政府がリスクを過小評価する傾向は、この国で、まだ続いているのではないかしら?